HDDのデータ消去依頼の方法とは?業者選びで見るべき3つのポイント
HDDのデータ消去依頼の方法とは?業者選びで見るべき3つのポイント

HDDのデータ消去は誰にお願いすればいいのだろう、とお悩みではありませんか?パソコンを処分する際、古いパソコンにあるデータは消去する必要があります。方法としては、自力でやるか業者に任せるかの2択になることでしょう。業者に任せる場合は、任せる業者の選び方が非常に大切です。なぜなら、完全にデータを消去してくれないと、悪用される恐れがあるからです。本記事では、HDDのデータを適切に消去する方法や消去を依頼する業者の正しい選び方を解説していきます。データ消去は作業の後が大切なので、作業して終わりにする業者ではなく、その後のケアまでしてくれる業者を選びましょう。

 

HDDのデータを消去する目的とタイミング

そもそもなぜHDDデータを消去する必要があるのか、いつ消去すれば良いのかを確認しましょう。

HDDデータを消去する目的

データ消去の目的は、個人情報や企業情報の漏洩防止、その先の悪用防止です。個人のパソコンの場合、生活に関わる情報が入ったパソコンをデータ消去せず廃棄すると、もし悪意のある人間の手に渡った時に、犯罪に利用されることにもなりかねません。

また、会社のパソコンの場合、会社運営に関わる秘匿性の高い情報が大量に保存されてあることでしょう。消去のし忘れによって漏洩してしまっては、会社自体の信頼性の低下はもちろん、損害賠償などの事件性のある事象に発展する可能性も十分考えられます。ただし、適切な方法でデータ消去を行えば、上記のようなリスクは避けられます。不要なパソコンを処理する際は、慎重に進めていきましょう。

HDDデータを消去するタイミング

データ消去をおこなうタイミングですが、大きく以下の3つが考えられます。

  • フリマサイトなどで不要なパソコンを販売するとき
  • 不要なパソコンを知人に譲るとき
  • 業務で利用していたパソコンを会社に返却するとき

いずれもパソコンが自分の手を離れる時ですよね。自分がそのパソコンを管理をしなくなる際は、必ずデータ消去を行いましょう。また、上記のタイミングで特に気を付けるべきは、フリマサイトなどで販売する時です。なぜなら、パソコンが自分の知らない人間の手に渡るからです。最近は届け先の住所を知らなくても送れるサービスも出てきていますから、仮に悪用されてしまっては、追跡が非常に困難になります。

 

【注意】データ消去できない作業の例

データ消去の方法についてですが、以下の作業では完全なデータ消去ができないので注意してください。

  • パソコンの画面上でファイルの削除
  • パソコンの画面上でファイルをゴミ箱に移動
  • パソコンの初期化(フォーマット)
  • アプリやソフトをパソコンからアンインストール
  • パソコン内にあるデータをUSBメモリーへ移動

上記は一般的な「データ消去」の方法として知られています。ですが、画面から見えなくなっているだけで、仕組み的にはパソコンのHDDの中にデータが残っている状態です。どういう状況かというと、データ自体はまだ生きているので、市販のデータ復元ツールを使えば、あなたが消したと思っているデータを誰でも見れるようになってしまう状態だということです。次項では、そんなデータを完全に消去する方法をご紹介します。

 

HDDのデータを完全に消去する方法

画面上に表示されていない、HDDにある全てのデータを消去するための方法は以下の3つです。

専用ソフトウェアで情報の上書き

まずは、データ消去専用のソフトウェアでの消去方法です。個人が自力でやる場合、会社内でやる場合に採用される方法です。理由としては、パソコンを破壊せずデータだけを消去できるため、パソコンの再利用や再販売ができるからです。具体的な方法は、HDDのデータが保存されているブロックの一つ一つに消去用のデータを送信上書きし、二度とデータを読み込めない環境を作り、データの完全消去をおこないます。ソフトウェアにはパソコンメーカーのもの(無料)、データ処理業者のもの(有料)、ネット上に公開されているもの(無料)など様々です。消去精度も製品によってまちまちなため、復元を専門にしている業者に頼むと復元できてしまうケースもあります。

物理的に破壊

続いては、HDDそのものを破壊して、データを読み込むすべを失くす方法です。パソコンの再利用はできませんが、コストもかからず、適切に破壊できれば復元可能性を最も低くできる方法です。具体的な方法は、パソコンからHDD本体を取り出し、HDDの中の円盤状のディスク(プラッター)を、鈍器などで直接破壊します。プラッターはデータの保存や読み書きをしているいわばHDDの中枢です。また、プラッターは複数重なって格納されている場合があるので、完全に破壊しなければデータ復元の可能性を残すことになるので注意が必要です。

専用装置でデータを消去

最後に、強力な磁気を利用した専用装置でデータを消去する方法です。装置を所有している専門業者に依頼する形になります。具体的な方法は、HDDの中でデータ保存を担当している円盤状のディスク(プラッター)に対して強力な磁気を照射して、データ保存されている箇所を直接破壊します。業者に任せて実施する方法なので、技術があって信頼できる業者を選べるかが大切です。

 

社内で消去するリスク

会社で不要になったパソコンのデータを消去する場合、まずは社内で処理できるかを確認するかもしれませんね。正しい知識を持った人が担当できれば問題ありませんが、そうでなければリスクが生じます。

完全な消去ができない

社内でデータ消去する場合、物理的な破壊のないソフトウェアでのデータ消去が手軽です。ですが、当然ながらパソコンはメーカーや種類によって、構造やデータの保存方法が異なるため、一つのソフトウェアで全てのパソコンのデータ消去を完璧にできる保証はありません。

消去方法が適正かわからない

秘匿性の高いデータを消去する場合は、物理的な破壊も採用することでしょう。繰り返しになりますが、パソコンによっては構造が異なるため、まずどこにHDDが格納されているのか確認する必要があります。また、破壊方法は裁断・穿孔・破砕いずれが適切か、判断しなければなりません。

破壊後も管理する必要がある

破壊の処理をした後も、完全にデータが消去されているかは検証しなければなりません。それにはパソコン一つ一つの個体番号と、作業記録をセットで保管する必要があります。何十台と消去処理をする場合、かなりの手間になることでしょう。

 

業者に依頼するメリット

上記でご紹介したリスクが「自社でも起こりかねないな」と感じる場合は、専門の業者への依頼も検討する必要が出てくるかもしれませんね。

消去の方法を選べる

業者を利用するメリットとしては、消去の方法を選べることにあります。データ消去は3つの方法がありますが、全てのパソコンを同じように処理する必要はありません。保存データの重要度に合わせて業者に適切な方法を提案してもらえば、社内で全部検討するより効率的にデータ消去を実施できます。

作業完了後も管理しやすい(証明書の受領)

作業完了後の追跡管理をする際も、業者に依頼するメリットがあります。業者によってはパソコンの個体番号と作業方法、作業記録などを記載した証明書を発行してくれます。それを社内で保管しておけば、後でトラブルになった時に原因の解明がしやすくなるはずです。

 

 

業者を選ぶ際に見るべき3つのポイント

では具体的にどのような業者を選べば良いのか、3つポイントに絞って解説します。

その1:データ消去の方法

業者がどのような方法でデータ消去をおこなうのかを確認しましょう。データを完全に消去する方法は「物理破壊」「ソフトウェア」「磁気破壊」でしたね。いずれか1つの方法でしか作業をしていない、ソフトウェアはフリーのものを使用している、などの場合は注意が必要です。完全なデータ消去ができない可能性があります。

その2:作業の記録

作業後に詳細な記録を残しているのか、その記録を作業証明書として受け取れるのかを確認しましょう。記録をしていない場合、トラブルが起きた際に原因の所在がわからなくなってしまうからです。令和の現代でも、行政と大手企業の間でデータ処理不足による情報漏洩が発生しています。必ず作業記録が実施されていることを確認しましょう。

その3:セキュリティ体制

セキュリティ体制も要確認です。前項の情報漏洩事件では、企業内部の人間が無断で転売をしたことが原因でした。消去作業の品質はもちろんのこと、業者の会社内に監視カメラはあるか、依頼主の作業立会いはできるか、運搬方法は適切かなど。業者に依頼する際は作業環境についても確認するようにしましょう。

 

HDDのデータ消去依頼方法・流れ

最後に、データ消去を業者に依頼する際の一連の流れをご紹介します。

  • 問い合わせ・・・電話、FAX、メール、web申込から問い合わせを行います。依頼内容の大枠が決まっていれば、この時点で仮見積りも依頼します。
  • 申し込み・・・依頼内容が確定したら、申込をします。
  • 機器の運搬・・・機器の運搬(引き取り、送付)について確認しましょう。社内作業の場合は直接訪問してもらいます。
  • 消去作業・・・指定の作業方法にてデータ消去を実施します。
  • 機器の処分・・・業者側にて機器の処分(返却、廃棄、買取)を実施します。
  • 証明書発行・・・作業記録、個体番号、消去方法などを記載した証明書を発行します。(有料の場合あり)

最後に証明書・作業記録の発行をしてもらうことを忘れないようにしてくださいね。

 

まとめ

HDDデータの消去依頼方法についてまとめます。

  • HDDのデータを完全に消去する方法は「物理破壊」「ソフトウェア」「磁気破壊」
  • 適切な知識を持たなければ、社内だけでデータ消去するのはリスクがある
  • 業者選びのポイントは「消去方法」「作業記録」「セキュリティ」

今回ご紹介した方法で、適切な作業処理、確実なデータ消去にお役立てください。

HDDを完全に破壊したいと考えている方はこちらへどうぞ

HDDのデータを完全に消去したいと考えている方はこちらへどうぞ