HDDには、大切なデータが保存されていますよね。しかし、HDDも消耗品なので、いつかは壊れます。その際に検討するのが、メーカー修理とデータ復旧ではないでしょうか。しかし、対処法を謝ると大切なデータが取り戻せないので、注意が必要です。ここでは、メーカー修理とデータ復旧の違いついてお届けします。
主なHDDの故障について
モーター故障
HDDというのは、円盤の記録ディスクを高速回転してデータアクセスします。回転速度は、毎分5000~10000回転で、一秒間に100回以上回転しています。また、高速回転モーターは熱も発生するため、熱を上手く逃がしていかないと、モーターや軸受けに負荷がかかって劣化が早まります。長年使用したHDDは、潤滑油も切れて、熱の焼付きが発生する場合があり、焼き付いたモーターは動かなくなるのです。この場合、個人修理はできないので、データ復旧業者へ依頼して下さい。専門業者であれば、モーター取り替えてデータを取り出すことができ、高い確率で元通りになります。
コントロール基盤故障
コントロール基盤というのは、ディスク回転速度、磁気データの電気信号変換、これらを行うための制御回路です。基盤は、滅多に劣化で故障することはありませんが、モーターの廃熱で故障したり、埃が溜まってショートしたり、色々な原因で故障する場合があります。基盤故障は、同じ製造メーカーの同じ型番の基盤交換で修理します。作業に関しては、そこまでの専門性は必要ないですが、個人で基盤購入することはできません。データ復旧業者は、前もってこうしたトラブルに備え、色々なメーカー基盤をストックしているため、データ復旧することが可能なのです。
磁気ディスク故障
磁気ディスクというのは、HDD筐体の中にあるデジタルデータの記録場所です。デジタルデータは磁気で記録されます。この磁気ディスクは、長年使い続けていると、経年劣化で磁化しづらくなったり、磁気保持できなくなったりします。これを不良セクタというのですが、データの読み取り不可の箇所が増えていきます。不良セクタ量が少ないと、保持データに与える影響は少ないですが、多発している場合には保存データは壊れます。データ破損した場合、軽度の破損であればデータ復元ソフトによる修復も可能ですが、重大エラーになると市販ソフトでも復旧は難しくなります。なので、もし、ソフト復旧不可の場合、復旧業者へ依頼するのが賢明です。ただし、この場合にはデータが壊れているので、完全には戻らないこともあります。なので、重要データは事前にバックアップを行いましょう。
HDD故障の対処方法について
論理障害の場合は、HDD内のデータやファイルシステムに問題があります。なので、一度初期化して、バックアップデータを復元して直る場合があります。一方、物理障害の場合は、異音や異臭がする際は物理障害の可能性が考えられます。物理障害が生じている時には、何度も電源のON・OFFすると症状悪化に繋がるのでやめましょう。物理障害が起こったら、まずは電源を切ることが大切です。また、物理障害であっても、論理障害のような症状が現象として出ている場合もあります。その場合は、論理障害か物理障害か微妙で分からないことがありますよね。こうした場合は、無理に直そうとしないで下さい。もし、論理障害だと思っていても物理障害だった場合、データ復元を無理に行ってしまうと症状悪化を招く恐れがあります。なので、どうしてもどちらの症状か特定できず、対処方法がわからない場合には、無理せず業者依頼してみることをおすすめします。
メーカー修理とデータ復旧の違いについて
- データ復旧サービス
データ復旧とは
データ復旧というのは、パソコンや周辺機器の動作的機能の回復が目的ではなく、技術、設備、手法を使って、内部保存データを取り出すことが目的です。障害によって記憶媒体を開封し、内部の精密機構を調査や解析した上で、HDDの復旧作業を行います。なので、復旧作業を行った後のパソコンや周辺機器の動作的機能は、一切、回復できていないことがあります。この場合、メーカー保証対象外になる場合もあり、データ優先か、製品修理優先か、どちらか決定した上で、各サービスを受けるようにしましょう。データ復元できる理由ですが、HDDからデータ消去する操作は削除操作と同じで、現時点でデータ保存されている領域を再び利用可能にする操作だからです。なので、HDDからデータ消去すると、データが隠されて見えなくなります。しかし、保存領域に新たなデータ保存をしない限りは、専門ツールで保存領域をスキャンし、データ検出して完全復元できます。
HDDのデータ復元は可能
HDDのデータ復元が必要な場合というのは、誤って大事なファイルを削除した、整理した写真データを消したなど、取り返しのつかないことをした時です。たとえば、ごみ箱に入れて完全消去したデータも、削除後すぐであれば復元ができます。その理由は、消去データはHDD上で意味あるデータとして扱われなくなっていますが、情報自体が失われてはいないからです。もちろん、内蔵HDDでも外付けHDDでもHDDの種類は問いません。ただし、パソコンの再起動、何かの作業をパソコンで行うことで、HDDに新たにデータ上書きされると、データ復元が難しくなります。なので、必要データを削除してしまったら、できるだけ早くデータ復元作業を行いましょう。
論理障害と物理障害
データ削除や不具合などで消えた場合、論理障害か物理障害かでデータ復元対応方法は変わってきます。ファイルを誤って削除した場合は、論理障害です。この場合、データ復元できる可能性は高いです。一方、HDDの機器故障でデータが見られなくなった場合には、物理障害になります。物理障害の場合、通電で機器故障が進行してしまいます。また、専門家以外の方のHDD分解は、データ復元できない最悪の事態を招く恐れもあります。物理障害でのデータ損失は、機器に衝撃を与えない、高温場所に設置しないなど、故障しないように取り扱うこと、定期的にバックアップすること、これらの対策によって備える必要があります。
復元は専門業者に頼むのが一番
データ復元作業というのは、実は、自分で行うこともできます。データ復元ソフトを利用し、削除データの検出や復元できる場合があります。この場合、障害機器のソフトインストール、復元データ保存などの誤操作で、消えたデータが二度と戻らなくなる可能性もありますので注意が必要です。より高い確率でデータを復元するためには、専門業者への依頼が確実です。もちろん、データ復旧業者へ依頼する場合には、ある程度の費用は必要ですが、専門業者なので、自力で復元を試みた場合よりも、データを復元できる可能性は格段に上がります。また、多くの業者では、目的のデータを復元できるかどうかを無料で診断してくれます。そのため、「お金を支払ったのに結局データは復元できなかった」という事態を避けることができます。
- 一般的なメーカー修理サービス
メーカー修理サービスとは
パソコンや周辺機器の動作的な機能を回復させるため、故障箇所の部品を新品の部品と交換をします。製品としては使用できますが、保存されたデータは故障部品として破棄されてしまいます。ハードディスクを例とした場合、精密さゆえにハードディスク自身の修理は行うことはできません。各ハードディスクメーカー自身も修理やデータ復旧を前提とした製造方法を採用していません。そのため、ハードディスクが故障した場合は、新品のハードディスクと交換する修理サービスが一般的になります。
修理ではデータ復旧保証はない
メーカー修理は、障害発生した機器を再び動作させる目的の修理になります。修理対応は故障箇所で異なりますが、多くの場合、不具合のあるパーツ修理を行います。故障状況やパーツ構造によっては修理が難しいこともあり、丸ごと交換の場合もあります。メーカー修理はあくまでも機器購入時の状態に戻すことが前提で、保存データに関しては保証していません。また、修理過程でストレージ初期化が行われることが多ので、データは元に戻りません。実際、ストレージ内容の初期化の同意を必要とするメーカーが大半です。
- どちらに依頼するかは状況で変わる
外付けHDD、NAS、SSD、USBメモリー、光メディアなど、ストレージには大事なデータが保存されていますよね。しかし、ストレージも機械なので、使用していればいつかは壊れるものです。その際に、検討するのがメーカー修理か、データ復旧かになります。しかし、メーカー修理では、データの取り戻しができない場合があるので注意が必要です。いずれにせよ、HDDが故障した際に重要なことは、使っていた状態に戻すことです。なので、どちらの方法にするかは、置かれている状況で異なるでしょう。もし、最新データをバックアップ済みであれば、HDDを修理に出すか買い換えた後、バックアップしたデータを移行すれば、元の環境に近い状態まで戻せます。しかし、バックアップがない、古いバックアップしかない、こうした場合には、ストレージが元に戻っても、保存データの一部、或いは、全てが失われます。なので、保存データを元に戻したいのであれば、データ復旧サービスに依頼が先になります。
HDDというのは、修理や買い換えで元に戻ります。しかし、保存データは一度失ったら元には戻せない重要なものです。HDDのトラブルの場合、まずはデータを守って、次に機器を直す、この順を追うのがベストでしょう。データ復旧サービスでは、データ復旧できるか無料で診断や見積もりできるので、まずは相談してみることをおすすめします。もし、問題なくデータ復旧が可能であれば、そのままデータ復旧を依頼しましょう。そして、HDDを修理に出すか、買い換えるか決める、こうして順を追って対応するのが安心・安心です。
まとめ
ここでは、メーカー修理とデータ復旧の違いついてお届けしましたが、いかがでしたか?多くの方がHDDに仕事の重要データや、大事な思い出の写真を入れていますよね。メーカー修理とデータ復旧では目的が異なるので、データを確実に保持したい方は復旧がおすすめです。無理して自分で扱うこと大事に至る場合もあるので、そんな時にはプロのサポートで安全にHDD故障の対処をお願いしましょう。