パソコン処分時の証明書は?
パソコン処分時の証明書は?

皆さんはパソコンを処分するときに、どのような証明書があるか知っていますか?個人のパソコンはあまりないと思いますが、会社のパソコン等を処分したときに、処分したという証明書の提出を求められることもあると思います。処分してしまってから、証明書をもらってないとなると困るので、今回はパソコン処分時の証明書の種類とその必要性について、ご紹介したいと思います。

 

パソコン処分時の証明書とは?

パソコン処分時の証明書は大きく分けて2つです。パソコン自体・資産を処分・廃棄したことを証明する廃棄証明書とパソコンのデータを消去したことを証明するデータ消去証明書があります。

廃棄証明書は主に個人のパソコンでなく、会社のパソコンの話なのですが、会社のパソコンは一般家庭用のパソコンと違って、産業廃棄物扱いなります。産業廃棄物は法律で排出事業者に処理の責任が課せられていて、家庭の廃棄物とは処分の方法が違います。法律で責任があると定められているので、きちんと処分しないと、法律違反にもなってしまいます。きちんと法律を守り、正しい方法で処分したことを証明するためにも、廃棄証明書が必要なのです。

データ消去証明書も会社のパソコンには機密データがたくさんあります。きちんとデータを消さないと、簡単に復元できるので、情報漏洩につながります。近年、情報漏洩にはどこの会社も気を遣っているので、データを消したという証明書があると、安心・信頼できる会社だと思います。またもしも情報漏洩があったときに、データ消去証明書があれば潔白を証明できると思います。会社や自分を守るためにも、きちんとしたところでパソコンのデータを消去し、証明書をもらうといいでしょう。

個人のパソコンでも個人情報が満載なので、証明書が求められることはなくても、データ消去は必須です。

パソコン処分時の証明書の種類と役割

パソコン処分時の証明書は産業廃棄物管理票・引き取り証明書・固定資産廃棄証明書・データ消去証明書の4つがあります。それぞれの書類は役割や発行している場所が違います。

産業廃棄物管理票(マニフェスト)

会社のパソコンは産業廃棄物にあたいするので、不法投棄などを防ぐために環境省が管理票を制定しました。パソコンの処分を外部に委託するときに産業廃棄物管理票(マニュフェスト)が必要です。法律で決まっているので、この管理票がなければ、法律違反になってしまいます。

産業廃棄物処理業者でパソコンを処理するときに発行されます。また、産業廃棄物管理票には廃棄物の種類、数量や処分業者名が記入され、産業廃棄物を正しく処理されたことを証明します。

引き取り証明書

パソコンが自分のものではなく、ほかの人のものになったことを証明するのが、引き取り証明書です。引き取り証明書はパソコンを処分するのではなく、リサイクルショップなどに引き取ってもらったときに、発行されるものです。パソコンが自分の資産ではなく、相手の資産になったことを証明し、パソコンの機種・台数・引き取り日、業者名が記載されます。

メーカーにパソコンを回収してもらったときも引き取り証明書になると思います。書類として発行されるのではなく、パソコンを運送などで引き取ると思いますが、その運送の伝票などが残ります。そちらも引き取りの証明になります。

固定資産廃棄証明書

固定資産廃棄証明書はどこかでもらうのではなく、社内文書です。資産管理を廃棄したことを証明するための書類です。いつ必要になる書類かというと、税務調査などで使います。税務調査で固定資産(使わなくなったパソコン)を廃棄した証明がないと「社員個人が売却して、懐に入れたのでは?」と疑われてしまいます。そうではないことを証明するために固定資産廃棄証明書が必要です。固定資産廃棄証明書だけではなく、併せて、廃棄の理由がわかる稟議書や廃棄費用の請求書、領収書など廃棄したことが証明できる書類を保管しておかなければなりません。

データ消去証明書

データ消去証明書はパソコンのデータが正しく消去の処理がされたこを証明する書類です。データ消去を行う業者が発行する書類で、ほとんどのデータ消去業者が書類を発行していますが、まれに発行していない業者もあるみたいなので、データ消去を依頼する企業に確認してみてください。発行している業者は信頼できますが、していないところは信頼できないと思います。データ消去証明書を発行している業者にデータ消去を依頼してみてください。

多くのデータ消去業者では、データ消去の依頼時に、データ消去証明書発行依頼書を記入し、証明書の発行を依頼します。データ消去証明書には、データを消去した日付、消去方法、消去したHDD/SSDの型番やシリアルナンバー、HDD/SSDの破壊した写真などを記載します。確実なデータ消去のために、データ消去証明書は必須となっています。

個人でも手に入れられる書類

  • 引き取り証明書
  • データ消去証明書

 

法人は4つすべての証明書が発行できる、または関係がありますが、個人は違います。個人でも手に入れられるパソコン処分時の書類はこの2つです。産業廃棄物管理票は個人のパソコン処分時には発行されません。法人のみですので、注意が必要です。また固定資産廃棄証明書は社内文書ですので、個人には必要ありません。

引き取り証明書とデータ消去証明書は個人のパソコンでも発行されるので、どうしてもパソコン処分時に何かしらの証明書が必要な方はリサイクルショップやメーカーに引き取ってもらうか、データ消去を業者に依頼してください。

パソコンデータ消去証明書はなぜ必要か

マイナンバーの制度ができてから、より一層、個人情報の漏洩やパソコンのデータ消去がうたわれるようになりました。マイナンバーだけで個人が特定されてしまうからです。特に会社で管理する税金の書類などにはマイナンバーが記載され、それをデータで入力や管理しているところはマイナンバーがパソコンに保存されていると思います。パソコンを処分する時には、個人が特定されないようにデータをきちんと消さなければ、マイナンバーなどの情報が漏れてしまいます。よって、データ消去証明書はより、必要になりました。

データ消去証明書のメリット

データ証明書を発行するメリットは3つあります。

情報漏洩の防止

データの初期化、削除だけでは、そのデータを完全に消したことにはなりません。ある程度、パソコンの知識がある人には簡単に復元できてしまいます。確実にデータが消されない限り、データ消去証明書は発行されません。またデータ消去証明書を発行したら、データ消去業者に責任がかかってくるので、きちんとデータ消去を行ってから、業者も発行します。データ消去証明があれば、セキュリティ対策をしっかり行って、コンプライアンスをきちんと守っているアピールにもなります。

情報の中で一番流出したら困るマイナンバー。データ消去証明書があればこのマイナンバーも適切に扱っていることが証明できます。マイナンバーの漏洩を防ぐために、不要になればすぐ削除することと、マイナンバーが記録されたパソコンなどを処分する時は、データを復元できないような状態にすることがあげられています。業者でデータ消去を行い、証明書を発行していれば、この2つは自然とクリアできているので、問題ないです。データ消去証明書がなく、自分でデータ処理を行うときは、データが復元できてしまう可能性もあるので、気をつけなければなりません。データ消去に依頼し、データ消去証明書を発行していれば確実情報が消去され、情報が漏洩することはありません。

パソコンを使用しなくなった・適切に処分したことの証明になる

パソコンを使用しなくなった、かつ、適切にパソコンを処分したことの証明になります。企業では税務調査で資産などの資料を提出しますが、使用しなくなったパソコンが会社の資産でなくなった証明になります。また、データやパソコン処理の扱いが適切だと証明することもできます。データの扱いが適切なら、クライアントや顧客からの信頼も得ることができると思います。

情報漏洩があったとき処分したパソコンや業者からではないことが証明される

万が一、情報漏洩が起こったときに、データ消去証明書があれば、処分したパソコンや依頼した業者から、漏洩したわけではないことが証明されます。また、別のところから情報が漏れたのだと推測することができます。情報漏洩が起こったときに経路が自分や会社ではないことを証明するためにもデータ消去証明書は必要になってきます。

パソコンデータ消去証明書がなければ・・・・

過去にデータ消去証明書を発行していないケースで、とても大きな情報流出事件が起こっています。まだ皆さんの記憶にも新しい2019年の神奈川県庁のHDD転売・情報流出事件です。2019年であれば、すでに個人情報流出がかなりうるさく言われたのにも関わらず、この事件は起きました。このデータ消去業者はデータ消去証明書を発行していなくて、データが適切に消されているとこの証明はできない状態でした。それを逆手にとって、当時の社員が転売したのだと思います。データ消去証明書がきちんと発行されていれば、この事件は起こらなかったかもしれません。データ消去証明書がなければ、業者に依頼したとしても、適切にデータ処理が行われているかどうかがわからないので、やはりデータ消去証明書は必要不可欠だと思います。

まとめ

いかがでしたでしょうか。パソコン処分時の証明書についてまとめました。企業のパソコンを処分する時は証明書が必要になることが多いと思います。必要に応じて、発行依頼・作成をしてみてください。

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