突然、HDDが寿命を迎えて重要なデータが消えてしまったら、それは大きな損害になりかねません。重要情報やデータ保管をするHDDは、寿命を迎える前に交換やバックアップをなどの対策が必要です。ここでは、HDDの寿命についてお届けします。
HDDの寿命について
HDDの寿命とは?
まず、一般的なHDDの寿命ですが、パソコン内蔵HDDや外付けHDDなど、HDDの種類によって寿命は異なります。しかし、全てのHDDも消耗品であるので、いずれ寿命はやってきます。HDDはデータ保存する装置であり、HDDとSSDがありますよね。HDDは、電磁で内蔵ディスクを回転させてデータ書き込み呼び出しする装置で、SSDもHDD同様の装置なのですが、SSDは半導体素子メモリでディスク回転はしません。最近は、SSD容量が増えて需要が高まっていますが、SSDはHDDより割高なので、現状はHDD使用者の方が多いことが挙げられます。HDDでもSSDでもHDDの寿命を想定して、入れ替えやバックアップを事前に行うことが寿命対策としてとても大事になってきます。
HDDは何時間・何年使用できる?
HDDの寿命目安
HDDの寿命というのは、大体1万時間程度といわれています。これは、仕事で毎日8時間パソコンを使用する場合、HDDは約3~4年使用できれば良い計算になります。SSDの方がHDDより寿命が長くなっており、寿命は約5~6年が目安で、時間にすると1万5千時間程度になります。また、HDDの寿命には、パソコンを使用環境も大きく関係してくるので、一概にはいえないところもあり、あくまでも目安として把握しておきましょう。
タイプ別HDDの寿命目安
内蔵型HDDの平均寿命は、大体4年程度です。HDDは、物理的ディスク回転でデータ読み書きする仕組みなので、長く使用しているとディスク表面が擦り減って、最終的に完全にディスク回転しなくなります。最も内蔵型HDDが劣化するのは起動時なのですが、起動時というのはHDDが高速回転しており、ヘッドとトラックの摩擦も大きくなります。なので、ディスクが擦り減りやすい状態です。以前は、HDDの寿を決定するのは駆動時間といわれていましたが、それは間違いで、最近は起動回数が重要だといわれています。また、データ読み書き中の強制終了は、ヘッドがディスク表面に強く叩きつけられることになるので、余計にディスクを擦り減らせます。そのため、パソコンを安易に強制終了したり、途中でインストールをやめたりするのは避けましょう。また、外付けHDDの寿命は、大体3年程度です。外付けHDDは、内蔵HDDよりも外気温の影響を受けます。HDDにとって、余計な熱や湿度は大敵なので、外付けHDDの方が内蔵HDDより寿命は短い傾向があります
HDDの寿命を縮める環境や使い方
基本的に、HDDというのは消耗品です。いつかは必ずHDDにも寿命がやってきます。また、寿命は使用環境によっても変わるので、オフィス環境条件や使用方法によっては一般的な寿命目安に該当せず、突然HDDが故障してしまう恐れがあります。たとえば、パソコン電源を何度も1日にON・OFFしている場合、HDDの寿命は短くなる傾向があります。また、温度や湿度が高い環境もHDDの寿命を縮めることになります。特に、外気との温度差があり、結露が生じる環境では注意がしましょう。さらに、ホコリや粉塵が発生する環境でパソコンを使用することも、寿命を縮める原因に繋がります。HDDは思っているより振動に弱い特性もあるので、頻繁に席替えする、コンピュータ機器の配置移動をするなど、無意識に衝撃を与えている可能性があることも覚えておきましょう。
HDDの寿命を察知する故障予兆とは?
寿命間近のHDDは故障寸前
寿命間近のHDDというのは、故障寸前状態なので何か予兆が現れます。その予兆症状には、使用中に今までにはなかった異音が発生する、フリーズ頻度の増加、一部データが使用不可、使用中のエラー表示などが挙げられます。これらの症状は、HDDがいつ故障してもおかしくないサインの現れなので、寿命が近いと判断できます。特に、注意して欲しいのが、鈍足な動作や異常な起動音です。この2つの症状は、他の症状よりHDDの寿命が非常に近い状態と表しており、パソコン使用中の方でこの症状が現れている方は要注意しましょう。この状態を放置しておくと、HDDのバックアップやデータ移行前に故障し、重要データの紛失に繋がる恐れがあります。こうなってしまった場合には、データ復元ソフトを使用することができないので、専門業者の利用が必要になります。HDDのデータ復元依頼は、意外と高額費用になるので、無駄な出費を出さないためにも、予兆が見られた際にはしっかり対処を行っていきましょう。
こもった熱が寿命の原因
HDDの寿命の原因は、磁気使用だけではなく、起動した際の振動や機器にこもった熱なども深く関係します。HDDというのは、沢山の微細な部品を使用した精密機器なので、振動や熱に弱く、長く使用しているとダメージが蓄積されて寿命を迎えます。また、最近は機器内の熱を逃がすことが不要な構造のHDDもありますが、内部を冷やすファンが搭載されていないHDDと比較して熱がこもりやすくなっています。なので、室内温度が高い場合、その空間でパソコンを使用していると、起動中の熱で内部機器へずっとダメージを与えている状態になるので、HDDが故障してしまいます。
物理的衝撃は寿命を短くする
HDDというのは精密機器なので、物理的衝撃が加わると寿命を縮める要因になります。たとえば、持ち運びの際に誤って落としてしまったなど、物理的衝撃で寿命が短くなるので注意しましょう。また、HDDへの物理的衝撃は、最悪、その時点で故障することもあります。なので、HDDを使用している方、また、これから使用する方は、丁寧に扱うことが大切です。
HDDの寿命を延ばす方法とは?
必要以上に電源をON・OFFしない
日常的にできる対策としては、パソコンの電源を必要以上にON・OFFをしないことです。一度の起動でHDDは1秒間で約100回の高速回転を行っており、磁気がデータ書き込みや読み取りを行います。パソコンを使用しないにも関わらず、起動した状態は物理的ダメージを蓄積させるので、結果HDDの寿命を縮めることになります。なので、必要な時だけ使用する使い方を行い、物理的ダメージの頻度を減らしましょう。無駄なON・OFFをやめることで、HDDの平均寿命を伸ばすことに繋がります。場合によっては、3年以上HDDを使用することも可能です。
衝撃を与えない
HDDは、磁気ヘッドという針で高速回転し、ディスクに情報を刻んでいます。磁気ヘッドとディスクの隙間は100万分の1㎜のミクロの世界で、HDDのような精密機械は衝撃や振動は天敵です。なので、データを読み書きする時でなくても、衝撃や振動を与えない工夫をし、パソコンを扱うようにしましょう。
熱を溜めない
パソコン部品というのは、基本的に熱に弱いものが多いので、熱を与えると寿命は短くなります。なので、熱を放出するファンが搭載されていますが、パソコンの負荷作業が長時間の場合は、ファンにホコリが溜まっておりファンが正常に機能せず、温度調節が追い付かないトラブルが発生することもあります。特に、夏場はパソコン内部に熱がこもりやすい状態なので、しっかり熱対策を行いましょう。また、パソコンには裏面か側面に熱を逃がす通気口があますが、たとえば布団上や柔らかいソファーの上で使用した場合、通気口が塞がって熱放出されない状態になります。なので、熱放出を意識してパソコンを使用するように心がけましょう。
結露に注意する
パソコンを冷え切った空間から暖かい空間に持ち込むと、急激な温度変化で結露が発生しやすくなります。パソコンといえども、精密機械にとって水分というのは天敵です。なので、寒い所からパソコンを持ち込む場合、部屋の温度に馴染むまで時間を起き、それからパソコン電源を入れるようにして下さい。また、補足ですが、冬場は静電気にも注意が必要で、静電気は電気回路のショートになるので注意しましょう。
HDDの寿命対策でやっておくべきこととは?
定期的にバックアップを行う
HDDの寿命が近くなると、寿命を表すサインが予兆として現れるので、寿命を察知することができます。しかし、日頃からなるべく定期的にデータをバックアップしておきましょう。バックアップを取るクセが付きますし、寿命でなくても物理的衝撃で故障してもデータを守ることができます。予兆が現れたらその時やればいいと思っていても、予兆に気付かなかった場合は危険ですよね。なので、いつHDDの寿命が来ても問題ないよう、日頃からデータをバックアップしておくことがおすすめです。
専用ソフトで寿命診断を行う
HDDの寿命というのは、専用ソフトである程度のHDDの寿命診断が可能です。ネット検索でフリーソフトもダウンロードできるので、HDDを使用している方はダウンロードしてみて下さい。HDDを使用していれば自動的にソフトが認識するので、メイン画面で現在のHDDの状態を確認できます。ある程度パソコンを使用している方は、使用してみるのがおすすめです。
新しい機器の準備
HDDの寿命のサインが現れたら、事前に新しい機器を準備しておきましょう。購入した時点でテータ移行も可能ですし、突然HDDが故障しても作業に困る心配もありません。なので、予兆が現れている方は新しくHDDを購入しておのがおすすめです。
まとめ
ここでは、HDDの寿命についてお届けしてきましたが、いかがでしたか?パソコンには、色々なデータが保存されており、それらのデータはHDDに全て保存されていますよね。しかし、HDDも消耗品なので、使用していれば寿命はいずれ訪れるものです。故障が見られた際には、適切な対処で機器を悪化させないことは大切です。パソコンの使い方によっては、HDDの寿命を上手く伸ばして使用することができるので、HDDの寿命を伸ばすポイント押さえつつ、大切に使用していきましょう。