パソコンを廃棄する時に皆さんは何をしますか。パソコンを廃棄する際にセキュリティ対策をしておかないといけないと言われています。どうしてでしょうか。過去にセキュリティ対策をせずにパソコンを廃棄し、大きな問題になったことがあります。今日はどうしてパソコンを廃棄する時にセキュリティ対策をしなければならないのか、過去の事例も紹介しながら説明していきたいと思います。
1パソコン廃棄に関する過去の事例
パソコン廃棄時にセキュリティ対策をしっかりしなければ、どうなるかは過去の事例から知ることができます。今回は3つの有名な新聞やテレビのニュースになった事件を紹介します。
1.1 2004年放送局と外資系大手企業の顧客個人情報流出
およそ20年前の事件ですが、東京都港区の放送局と同社の番組スポンサーの外資系大手企業がCMで懸賞クイズを行い、そのクイズに応募した1万868人分の顧客の個人情報を記録したCD-ROMが廃棄するパソコンとともに外部に流出しました。当時の新聞にも載り、大きな事件となりました。
廃棄する前にきちんと確認していれば、未然に防げた事件です。個人情報の入っているものの扱い方も少し気になりましたが、流出しては困るので、やはり、個人情報が入っているものは注意して扱わなければなりません。
1.2 2013年鹿児島県H市職員労働組合員情報流出
2014年に新聞に取り上げられた事件です。流出が発覚したのは少し前の2013年で、インターネットオークションで売られているパソコンを購入したら、データが残っていて、流出しました。流出したのは約500人の組合員・元組合員の氏名・住所・生年月日・電話番号・給与額・銀行の口座番号などです。労働組は古いパソコンの処分を業者に依頼したが、依頼した業者がデータを消さずに、別の業者に引き渡していたのが、流出の原因です。
データ消去の有無は確認し、消去されるのを確認しないと、このようなことになります。データを消去してくれるだろうではなく、必ず、確認してください。また、データ消去は信頼できる業者に依頼する必要があります。
1.3 2019年神奈川県庁のHDD転売・情報流出
割と最近の事件です。こんなに個人情報の流出に厳しく言われる様になってからも流出事件は起こっています。県庁は業者にデータ消去を依頼したが、パソコンの処分を依頼された業者の従業員が勝手にHDDを転売して、情報が漏れました。これはセキュリティ対策の問題ではなく、個人の良心の問題かもしれませんが、何があるかわからないので、気を付けるに超したことはないと思います。
業者などで依頼し、向こうがデータを消去してくれるときでも、自分で消せるものはすべて消した状態で引き渡した方がいいです。個人が勝手に売るなんてこともあるかもしれませんから、流出など万が一のことを考えて、対策をしておいた方がいいでしょう。
2パソコン廃棄時はセキュリティ対策が必要
企業の情報が流出するのは、ネットワーク経由とは限りません、パソコンを廃棄する際に、搭載されているハードディスクなどから、情報漏洩する可能性があります。中古のパソコンを購入したら、そこに前の利用者の個人情報が残っていたという上記の様なケースも多数報告されています。
セキュリティ対策が甘かったために上記のような事件が起こったといっても過言ではありません。パソコン廃棄時セキュリティ対策が必要な理由は情報漏洩が起こってしまうからです。適切にパソコン廃棄を行わないと、パソコンにCD-ROMが入れっぱなしで情報が漏れるという可能性もあるかもしれません。廃棄時には確認を怠らない様にし、最新の注意を払う必要があります。
またパソコンのデータは必ず適切な方法で消さなければなりません。パソコンには様々な個人情報が入っています。住所などのアドレス帳や、パソコンで買い物をする方はクレジットカード情報なども入っているでしょう。パソコンのデータを消さずに、廃棄してしまうと、情報が漏れて、第三者に悪用されてしまう可能性もあります。
3パソコン廃棄時のデータの消去方法
皆さんがデータを消すときは何をしますか?フォルダをゴミ箱に入れて、ゴミ箱を空にしますか?それとも初期化しますか?どちらもデータ消去としては不十分です。データ復元ソフトを利用すれば、すぐに復元できてしまいます。ではパソコンを廃棄する時にどうすればいいのでしょうか。パソコンのデータ消去方法は大きく分けて、3つあります。パソコンのデータを記憶しているのはHDDとSSDと呼ばれる装置です。このHDDとSSDの違いによって、データの消去方法は少し細かいところが変わってきますが、大きくは変わりません。
3.1データ消去ソフトを使う
データ消去用のソフトウェアを使うと、データを完全に消すことができます。ハードディスクやメディアファイルを無意味なデータで上書きし、データの復元をできない様にすることができます。
3.2ハードディスクなどを物理的に破壊する
ハードディスクは硬くて・金属でてきていますが、ハンマーなどで叩けば壊すことができます。物理的に破壊するのも、データ消去に有効です。この時、外部のケースだけでなく内部のディスク自体を壊さなければなりません。ハードディスクは精密機器なので、分解して、またふたをしてもほこりやゴミが内部に入り、普通はデータが読みこめなくなります。
3.3データ消去業者を利用する
パソコンに詳しくない方はデータ消去業者にお願いをするのがおすすめです。パソコン専門店やパソコンサポート会社では、有料でデータ消去サービスを行っています。ただし、信頼できる業者にお願いしないと、情報の流出の危険があるので、業者を選ぶときは慎重に選ばなければなりません。プライバシーマークやISMSを取得しているところであれば信頼できると思います。
4データを完全に消去する前に
データを完全に消去する前に、必要なデータは新しいパソコンや外付けのハードディスク、クラウドサービスなどに保存しておき、新しいパソコンなどで問題なくファイルが開けるか確認しておくといいです。またパスワード管理ソフトなどを使い、新しいパソコンで、利用しているネットサービスにログインできるようにしておくといいと思います。データ消去ソフトを使うのであれば、使用する前に周辺機器を外すことを忘れてはいけません。データ消去が不完全になってしまったり、必要なデータの消去や破損してしまったりなどが、引き起こる可能性があるので、十分に注意が必要です。
5パソコン廃棄方法と注意点
ここからはパソコンの廃棄方法と廃棄時の注意点にいついて説明します。
パソコンの廃棄方法
パソコンの廃棄方法は大きく分けて6つあります。
パソコン専門のリユース企業に引き取ってもらう
最近、増えてきたのが、パソコン専門の回収業者です。無料で引き取り、データ消去まで行ってくれるところもあるので、おすすめです。
家電量販店に持って行く
家電量販点でも回収しています。有料ですが、データ消去なども行ってくれ、店舗数も多く、近所で処分できると思うので、家電量販店に持って行くのもおすすめです。
自治体に設置されているボックスに入れる
自治体に設置されている回収ボックスに入れるのもいいです。この場合、データは自分できちんと消しておかないと、危ないです。
メーカーの回収サービスを利用する
メーカーで回収も行っています。マークがついているものに関しては、無料で、マークがないものも有料で回収を行っています。
フリマ・オークションアプリに出店・中古買い取りしてもらう
3年以内に買った新しいスペックがいいパソコンであるなら売るのも1つの手です。高く売って、次のパソコンを買う資金にしてください。
下取りに出す
新しいパソコンを買うなら下取りもいいでしょう。お店で古いパソコンを下取りに出すと、値引きで安くパソコンが買えるところが多いので、下取りに出せるものは出してみてください。
パソコンの廃棄時の注意点
パソコンを処分するのはHDDやSSDから大事なデータが流出しない・データが完全に消えているという確信が得られたからにした方がいいです。そうでないと情報流出するかもしれません。パソコンは普通のゴミとして出してはいけません。法令違反となるので、そちらも注意が必要です。適切な廃棄方法で処分してください。またデータ消去を依頼する場合は信頼できる業者を選び、できるだけデータを消した状態で渡すのがいいでしょう。もしものことがあってからでは遅いので、できるだけ未然に防ぐ形にしてください。
6ハードディスクの廃棄方法と注意点
ハードディスクを壊した後、どうするかですが、ハードディスクのみなら家庭用のゴミとして、捨てることができます。パソコン自体はすてることができませんが、パソコンのパーツであれば、捨てることができます。またパーツが入っていないパソコンも捨てることができます。捨てることができないのは、中にパーツが入った分解していないパソコンです。
注意点は自治体によって、ルールが違うので、捨て方などは確認する必要がありことです。だいたいの自治体が同じルールですが、まれに違うので気を付けましょう。特に大きさの規定などは自治体によって、差があります。そして、壊していないハードディスクを捨てるのは個人上漏洩につながります。そのまま捨てるのだけはやめてください。
7まとめ
パソコン廃棄時のセキュリティについてお話しました。過去の事例からもわかるように、セキュリティ対策が甘い・「だろう」での行動で、情報が流出しています。パソコンを廃棄する際はデータ消去に徹底してください。