HDD内データ消去のホント
データ消去、どうしていますか?
ワードやエクセルなどの不要になったファイルやフォルダを削除すると、そのデータはゴミ箱に移動します。誤消去した際や、再びデータが必要になったときに取り出せるように、バックアップ的な意味合いであえてゴミ箱から削除されない方もいらっしゃるでしょう。そしてその情報が必要でなければそのままか、あるいは外部に漏らせない大切な情報であればゴミ箱内で削除をするという方がほとんどではないでしょうか。
削除したデータの行方は?
ゴミ箱内のデータを削除した場合、通常その情報を取り出すことはできません。しかし復元ソフトを使うことによって、数日前の状態に戻すなどある程度の復旧が可能です。つまり言い返せば、これは「データを削除→ゴミ箱から削除」を行うだけではデータが完全に削除されていないことの証明でもあります。では、なぜこういったことが起こるのでしょうか?
データが完全に消えない理由
ゴミ箱からファイルやフォルダを削除してもハードディスク上でデータが消えないのには、データ上の「管理エリア」が関係しています。削除を行ってもこの管理エリアの情報が消去というデータに変換されただけで、実質的にはその情報は残ったままになっているのです。これを完全消去するためには、一度「消去」している未使用領域のデータに違う情報を上書きする必要があります。
データ消去の種類
HDDを破壊してデータを消去
HDDのデータ消去には情報を上書きする以外にも、データを消去する方法があります。それは、HDDを物理的に破壊することによって情報を読みとることができないようにすることです。HDDがどのようなことで壊れるのかを紹介致します。
1. 温度による破壊
HDDは、モーターによって動いている箇所があるために、CPUと並んで発熱するデバイスです。 パソコンの内部の温度があがるにつれてHDDの劣化が進み、数年で壊れてしまうこともあります。 そのためHDDを高温にすることでデータ削除ができる可能性がありますが、非常に危険です。
2. 磁力による消去
HDDは、磁気データを読み取っています。そのため、外部からの磁力による干渉も故障の原因となります。磁力を受けると勝手にデータを上書きしてしまいめちゃくちゃな状態になってしまいます。 しかし、どの程度データの消去が行われたのか、第三者にわかりにくく、本当にデータが消去しているのか分からないため不安が残る方法になります。
3. 物理的な消去
HDD内部の磁気ヘッドとプラッタ(円盤)は10nm(ナノメートル=10億分の1メートル)前後とほぼ密着に近い状態のため、振動を加えるとヘッドがプラッタを傷つけてしまうことがあります。 それでも、「衝撃=即故障」というわけではないのですが、精密機械部分の集合体であるHDDにとって外部からの衝撃は最大の故障要因でもあります。 それゆえに、HDDはとても丈夫に作ってあり、破壊するにはとても労力を要します。